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常盤響の週刊ニューエロス。008


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ニューエロス 第8号

2013.2.9

責任編集、全撮影 常盤響

表紙モデル Chikako

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▼目次

・Girls Like You archives #003 高宮怜

・ニューコラム「めるへんと悲なみちゃん」 

・エロス世界遺産 004 震災前の八戸

・ お知らせ、編集後記


Girls Like You archives

第3回 モデル 高宮怜 2007年11月26日撮影

彼女を撮影したのはもう5年以上前になる。別の雑誌の撮影で知り合って、もう一度撮りたくなってモデルをお願いした。確かモデルよりもイベントコンパニオンの仕事を中心にしていたと思う。そんな活動をしながら国家試験の勉強をしていて、撮影中の会話なんかもすごくしっかりしていて、才女っていうイメージだった。もう今ではモデルもイベコンもしていないみたいだけど、試験に受かって新たな人生を歩んでいるんだろうなと写真を見ながら考えていた。



ニューコラム 008

「めるへんと悲なみちゃん」


昨年の12月に大阪に行った。撮影や私用などのためだったのだけど、知人のカメラマンにも何人か会った。今回はそのうちのふたりが出した写真集について書いてみよう。


ひとりめは京都在住の怪人、醍醐マサヒロ。彼とは数年前にある展覧会がきっかけで知り合った。はじめは絵を描いていて、音楽もやっていたけど、どれも挫折して今は写真を撮っているなどと斜に構えた事を言っていた。でも、外見やぶっきらぼうな調子に似合わず、繊細でセンチメンタルな男だと僕は思う。出会った頃から彼の作品が好きで、よくドキっとさせられていた。


ちょうど大阪に行くタイミングで彼の写真展があった。梅田からちょっと歩いたところにあるnearly equal galleryという小さな雰囲気のあるギャラリーで彼の展示は行われていた。その写真展の図録的な写真集が会場で売られていた。何人かの女の子が写っているのだけど、どの娘も醍醐マサヒロの色に染められて、その娘本来の姿というよりは彼が見たかった世界の住人になっている。モデルとなった娘の容姿はバラバラで本来はタイプの違う女性なはずなのに、まるで一人の女性の様にすら見える。写っている娘を見ているはずなのに、まるで醍醐マサヒロのセルフポートレートを見ているかの様な気がした。

ふたりめは神戸在住の相馬ドリル。彼とは梅田の僕が泊まっていたホテルのそばのファミリーレストランで会って食事をした。彼と初めて会ったのはもう10年近く前で、その時は別の名前を名乗っていた。

その時は常盤レンジと名乗っていて、本当に僕と同じ名字なのかは知らないが、たまたま知り合いの紹介で家にやってきた。


それから長い事彼とは連絡を取っていなかったが、いつのまにか名前を変えてツイッター経由で展覧会をやるからと連絡がきた。昨年の秋に高円寺のマッチングモールというギャラリーで会った彼は、昔会った時とあまり雰囲気は変わらなかったけど、大人になったのか、前よりはグイグイ来る感じは薄れて、話しやすい様に感じた。


大阪で食事をした時に、悲なみちゃんの写真集を出すので、帯にコメントが欲しいと頼まれた。スマートフォンで写真を見せられて、家に帰ってからコメントをメールした。ほどなく完成した写真集が送られてきた。

これは先ほど書いた醍醐マサヒロの写真集とは正反対の写真集になっていた。A4サイズの薄手の写真集だけど、ここには最高のモデルに出会った盛り上がりが記録されている。


写真家の姿が作品から透けて見えるといったような高尚なものではなく、堂々としたアイドル写真集だ。自称モデルとか、自主アイドルなどではない、それまでモデル経験の無かった、ただの女子大生である完全に素人の悲なみちゃんという被写体に出会った喜びのみが記録されている。


今回紹介した二人の写真家の写真集はどちらも自主制作の私家写真集だ。近年、同人誌などが盛んになった事で印刷のクオリティは千差万別だが、安価に自分の写真集を作ることができるようになった。 この二冊の写真集はまったく違う音を奏でているけれど、どちらもパンクの自主制作盤みたいなものだ。 そこに記録された衝動に対して、印刷のクオリティだったり写真やデザインのクオリティに関して云々言うのはナンセンスなのだ。

実は、12月の大阪での撮影は相馬ドリルのモデルにもなっている悲なみちゃんの撮影だった。 悲なみちゃんの素晴らしさに関してはまた別の機会に僕の撮った写真も交えて紹介したいと思う。

それから、この時はもうひとりの大阪の怪人、ホイキシュウさんの写真展に行って写真集も買ったんだけど、自主写真集を100冊以上出しているホイキシュウさんに関してはまた今度あらためて。



エロス世界遺産。#004

震災前の八戸



青森県の八戸に行った時の写真を出してきた。

ダイアリーを見ると、2009年の12月1日から3日までの旅だった。はじめてではなくて、確か3度目か4度目の八戸だったと記憶している。10年近く前にdocomo東北のパンフレットの撮影で、毎月東北の町をまわって写真を撮っていた。3年半くらいに渡っての撮影で、東北の町は行ってない場所が無いくらいあちこち行った。八戸近辺もdocomoの撮影で何度か行ったのだけど、ひとりブラリと行ったのはこの時が最初だった。八戸市は青森市とはかなり離れていて、町の印象はずいぶん違う。今は東北新幹線で行くのが一般的だけど、この時はなぜか三沢空港経由の飛行機で行ったのを思い出した。三沢空港には自衛隊の戦闘機が停まっていて、空港を出ると米兵が何人もいた。



もうずいぶんと寒くなっていた八戸の町に空港からバスで到着して、安価なビジネスホテルにチェックイン。とりあえずホテル近くの居酒屋で食事。

刺身盛りでも600円程度で、ギンポの天ぷらやヒラメのエンガワで400円程度で味も良かった。

居酒屋となりの魚屋。

魚は新鮮そうで美味そうだったけど、それ以上に吊られた行灯(?)の魚がなんともサイケデリック。映画「ゴジラ対ヘドラ」でのサイケデリックなゴーゴーバーの客の頭が、幻覚で魚に見えたところを思い出した。

以前、ヴィレッジヴァンガードのコラムにも書いたけれど、気になったスナック「デヴィッド・ボウイ」。

ボウイ感の無いゴシックの書体で書かれるフルネーム。どんな店なのか興味津々だったけど、行きそびれてしまった。

右下のダイニングバー 「Mars」と関係はあるのでしょうか?

着いた日は曇天だったけれど、二日目は快晴。

夕方から地元の女性を撮影する予定だったので、それまで街をブラブラ。新幹線の八戸駅は街から遠く、八戸の玄関口と言えば本八戸駅。

とはいえ、繁華街からは1kmぐらい離れていて駅周辺はポカーンとしたような無人具合い。

本八戸南口をブラブラ歩いていたら娯楽の殿堂、「八戸マノン劇場」を発見。

いわゆるストリップ劇場。昼過ぎだと思うんだけど、もうすでに開演中の看板が出ていた。

この時は夕方に撮影をする女性と一緒だったので、マノン劇場内部をリサーチすることは出来なかった。

開演中ではあるけれど、まったくそんな雰囲気の無い風景。周囲も人気は無い。

マノン劇場手前からの光景。いい無人っぷり。手前の「愛の店」が気になる。

「愛の店」。もう営業はしていないようだけど、佇まいは素晴らしい。建物の前の用水路に鉄板で蓋をしてるのだけど、鉄板が錆びて抜けそうなので近寄れなかった。

マノン劇場入り口向かいの袋小路にスナックが何軒か。